【家族3人暮らし】自然の中で暮らすため土佐町に移住した西谷さんにインタビュー

のんびりと自然豊かな田舎で、自然と共生したい

自然豊かな環境を求めて、都市部から地方へ移住する人はリモートワークの増加などに伴い、年々増えています。

今回は、そんな暮らしを求め、パートナーと高知県土佐町へ移住を決め、現在はご結婚、お子さんも生まれて、現在は3人家族となり、さらに理想の暮らしを実現しようと挑戦をされている、西谷紅葉さんに取材をしてきました。

「なぜ土佐町へ移住したのか」

「移住してからの仕事や暮らしはどんな感じ?」

など、西谷さんの移住に関するお話をお聞きしました。

高知県の嶺北地域へ小さい子ども連れで移住したい方、自然に囲まれた暮らしを夢見ている方には参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください。

「縁側でお茶をする暮らし」を夢見て移住

西谷紅葉(にしたに こうよう)さん

東京生まれ。27歳。高校卒業後、静岡の短期大学で教育について学び、幼稚園・保育園・小学校の教諭免許を取得。
自然の中で暮らしたいと2015年にパートナーと土佐町へ移住。
今はパーマカルチャーと野食(やしょく)※を掛け合わせた暮らしを実現したいと日々、暮らしのアップデート中。

※野食(やしょく)とは造語で、自然界にすでに存在する山野草やきのこ、生き物をいただくという意味。

※パーマカルチャーとは、パーマネント(永久の)とアグリカルチャー(農業)あるいはカルチャー(文化)という言葉を組み合わせた造語。人間と自然が共生して持続的に生きていくデザイン体系を意味する。

ーーーさっそくですが、移住されるまでのお話を教えてください。仕事は何をされていたんですか?

短大卒業後、取得した教諭免許を活かして、静岡の特別支援学校で働いていました。

その頃から、今は妻となったパートナーと同棲をしていて、将来のことを想うと、自然に囲まれた暮らしをしたいと思うようになりました。

結果、半年ほどで仕事をやめることになり、妻も同じ気持ちだったので、移住先を探し始めました。

ーーー嶺北を移住先の候補地とされたのは、きっかけがあったのでしょうか?

北海道の援農ボランティアも、移住先として下見するのに調べていたのですが、いとこが先に土佐町へ移住をしていたので、そこを頼って、嶺北にちょっとお試し移住をしてみようという話になったんです。

嶺北行きが決まり、軽バンを購入し、それに積めるだけの荷物とちょっとの貯金を持って、土佐町へやってきました。

嶺北への移住の準備が本格的にスタート

ーーーそのまま嶺北地域へ移住を決められたのでしょうか?

4ヶ月ほどお試し移住として、いとこの家に住まわせてもらいながら、畑のお手伝いや移住先を探そうとしていました。

海が好きだったので、海の近くに移住先を探そうと思っていたのですが、探し方もわからないし、自分の理想がそもそもどんな場所なのかがイメージできずにいました。

すると、いとこがそのタイミングで、「田舎暮らしネットワーク」を紹介してくれました。

ーーーなるほど。空き家の紹介など、移住の相談をされたのでしょうか?

そうですね。

結局、嶺北地域以外の移住先は探さずに、この地域に住むことにしました。

田舎暮らしネットワーク」の方には、賃貸物件をいくつかご紹介いただき、今の家もそのときに見せてもらいました。

ーーおうちの決めてはズバリなんだったのですか?

家具や家電もついていて、すぐに住める状況だったことが大きいですね。

当時の地区長さんもとてもよい方で「もう引っ越してきいや」と温かく言ってくれたことが印象的でした。

そんなこともあって、今の家に決めました。

保育士の仕事をやめて、理想の暮らしへ

引用:西谷紅葉さんのツイッターより
薪の調達をしてきた様子
引用:西谷紅葉さんのツイッターより

ーーーこちらへきてからはどんなお仕事をされていましたか?

嶺北地域へ移住をしてから、しばらくは保育所で勤務をしていました。

しかし、勤務中にパートナーとの結婚、そして子どもを授かり、出産を機に、自分のやりたいことの方向性が見えてきました

そのためには、もっと自由にできる時間がほしいなと思い、保育士の仕事をやめることにしました。

ーーー具体的にやりたいことの方向性とは、どのようなものだったのでしょうか。

生活面でのことになりますが、その頃から「パーマカルチャー」と「野食(やしょく)」の世界に魅了されていました。

それらの中心に自給自足の暮らしをしたいと思ったのですが、そのためにはもっと時間が必要だなと思ったんです。

ーーー自給自足の暮らし!憧れます。

僕が思う、自給自足の暮らしって昔ながらの暮らしではなくて、今の科学や技術なんかも活かして、昔と今のいいとこ取りで、快適かつ楽に暮らしていけたらと思っています。

ーーーおもしろいですね。具体的にどんな感じで考えているんですか?

たとえば、取り入れていることの具体例としては、コンポストトイレ です。

西谷さんちのコンポストトイレ は「自然にカエル」という生ごみ処理機を活用している

バケツなんかでやるのもいいけど、どうしてもこまめに捨てたりしないといけないし、手間がかかります。

なので、僕の家では生ごみ処理機の「自然にカエル」という便利グッズを取り入れています。

これを導入することで、手軽に攪拌することができ、有機分解され、寄生虫の繁殖をおさえながら、腐敗臭を抑えて、発酵させることができます。

さらになんといっても、その中で発酵させるから、こまめに捨てる必要がなく、楽にコンポストトイレを導入できるんですよね。

ーーー排泄物を土に還す仕組み、いいですね。他には何かありますか?

あとは、自分の中の知識も増やしていきたいと思って、実践している最中です。

食べられる野草やキノコの種類を増やしたり、狩猟や釣りをしたり。

農業は最低限で、今あるもので生かしてもらうようなことができたらと考えています。

ーーー保育士さんの仕事はやめられた後は、他にお仕事はされていますか?

今は、別の仕事を週4日勤務で行なっています。

今年から子どもが保育園にも通い始めたので、妻も週3で働いていて、それ以外の時間で、やりたかった生活面のことを少しずつ進めています。

ーーー今も理想の暮らしへのアップデートをされている最中ではありますが、今後の目標はありますか?

やはり「パーマカルチャー」と「野食」を掛け合わせたようなことをしたいです。

しんどいだけではなくて、あるものを活用して、快適に楽に暮らせるような、そんな場をつくっていきたいと思います。

ーーー自然豊かな地域だからこそできることでもありますよね。西谷さんの今後の暮らしが楽しみです。今回は貴重なお話、ありがとうございました!

嶺北だからできる暮らし

西谷さんの取材を通して、嶺北には仕事も暮らしも、どちらも大切にされている方が多いなと改めて感じました。

「週5で働く」という常識に囚われず、西谷さん自身は週4、奥さんは週3で働きながら、自分たちの思い描く暮らしをつくる…。

「生活費が安く食料が自給できる」という田舎ならではの環境が、そういった生き方を可能にしているのだと思います。

そして、今後の展望を語る西谷さんの目は、キラキラと輝いていました。

いろんなことに挑戦し続ける人生って、きっと学びがたくさんあるんでしょうね!

いつまでもそうやって生きていけたらいいですよね。

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