目指せ8000人の町!道の駅「土佐さめうら」駅長の和田啓士さんが抱く夢とは?

来場者は低迷し、年間2万人。

「お荷物」とまで言われた過去がある。

そんな道の駅「土佐さめうら」で、現在革命が起こっています。

来場者は毎年5000人ずつ増え、今では嶺北有数の人気スポットに。

この背景には、道の駅の再興に全力を注ぐ1人の男性がいました。

その男性とは、2014年から「道の駅 土佐さめうら」の駅長を務める和田啓士(わだけいし)さんです!

今回、れいほくTVでは「道の駅 土佐さめうら」躍進の秘密を取材してきました!

こだわりは「嶺北ならでは」の商品

和田啓士(わだけいし)さんのプロフィール

高知県土佐郡生まれ。土佐町議員を経て、2014年から「道の駅 土佐さめうら」の駅長に就任。現在はNPO法人「土佐さめうら観光協会」の副理事長も務め、人口8000人の町を目指して土佐町の魅力を発信し続けている。

ーーー現在は、道の駅「土佐さめうら」の駅長をされているんですね。

普段は駅長として、道の駅に関わる全般の仕事を行なっています。

その中でも主な業務としては、営業やイベント企画です。

ーーー道の駅 土佐さめうら に並んでいる商品にこだわりはありますか?

嶺北ならではの商品は、できるだけ置くようにしています。

最近は徐々に嶺北の商品の種類が増えていき、今では売り上げの半分以上が嶺北の商品ですね。

ーーー例えば、どういった商品があるのでしょうか?

一押しは、土佐あかうしアイスです。

なんと、アイスの中に牛肉が入っているんです!

「ここにに来たら、一度は食べて欲しい」と和田さんイチオシの、土佐あかうしアイス。

ーーー牛肉!?おそらく日本初のアイスでは!?他にはありますか?

嶺北で育てられた野菜も、販売しています。

これからもっと商品を増やし、嶺北の商品をズラッと並べたいですね。

そのために、生産者の方に商品開発の提案をすることもあります。

店内には新鮮な野菜が並ぶコーナーがある。

ーーーなるほど…。商品以外に、見所はありますか?

外にあるBBQ広場ですね。

ここではで土佐あかうしの手ぶらBBQが楽しめます。

また、食べ物以外のお土産も販売しています。

個性的な可愛いコップが並んでいます。見ているだけでもワクワク!

嶺北の作家さんが作ったコップや、嶺北の木材を使った商品も販売しています。

木材を使った置き物。リアルな魚がプリントされている。

来場者は毎年5000人増!その裏には…

和田さんが駅長を務める道の駅「土佐さめうら」

ーーー駅長になるまでの経緯について教えてください。

私はもともと、土佐町の議員だったんです。

ーーー議員さんだったんですね!

議員の時から、ずっと観光分野を強化したいと考えていました。

観光によって、土佐町の良さを知ってもらうきっかけになると考えたのです。

ーーー観光を強化したいと思う背景には、何があったのでしょう?

土佐町を、人口8000人の町にするという目標です。

現在の人口が4000人程なので、その2倍を目指して地域を立て直そうと考えていました。

ーーー駅長に就任されてすぐは、どのような状況だったのでしょう?

当時は売り場も小さく休憩所がメインの場所で、経営的にはとても厳しいものがありました。

「休憩の案内所」と書かれた看板

それでも、絶対何とかなるという自信はあったんです。

自分の中で道の駅を立て直す計画はあったので、それを実行するだけ。

そういった気持ちで、駅長に就任したんです。

ーーー当時は苦労も多かったのでしょうか?

第一にお金がない状態でした。

来場者数も、年間2万人代だったんです。

でも売り場を増やして、物を売らなければいけない。

そんな時目に留まったのが、道の駅にあるケヤキの木でした。

ーーーコインシャワー室の隣にある大きな木ですね!

その時ちょうど、伸びすぎた枝を切ってもらっていたんです。

切った木をトラックに乗せ、捨てに出るところを、私が引き留めたんです。

シャワー室の隣に生えるケヤキ。所々、枝の先が切られている。

捨てるくらいなら、何かに使えるのではないか。

そう考えて、とりあえず輪切りにして売ってみたんです。

すると、意外にもそれがジワジワと売れていきました。

単価は高くありませんが、それが積み重なると資金になります。

ーーーその資金は、どのように使われたのでしょうか?

BBQ広場の環境を整えるため、キャンプ用の椅子を揃えました。

すると「土佐あかうし」が味わえるBBQ広場があると、来場者が増えたんです。

日本でも希少な褐毛和種ブランドの「土佐あかうし」。店内でも冷凍で販売されている。

利益も増えたので、その次にBBQ広場に屋根を付けたり…。

この繰り返しで、今のような設備ができていったんです。

他には、持っている資材で売り場を自作したりしたこともあります。

色々な苦労がありましたね(笑)

和田さんが自作した売り場。その場にあった木材を私物の工具で仕上げた。

ーーー当時は、どのような思いで活動されていたのでしょうか?

そりゃあ、辛かったです(笑)

最初から経営が上手くいった訳ではないので、お給料もわずかでした。

ーーーなるほど…。そんな状況下でのモチベーションは、何だったんですか?

飲食店を経営したいという夢ですね。

私は議員になる前、洋風の居酒屋をやっていたんです。

夜は若者で賑わう、楽しい飲み屋でした。

ーーー飲食のお仕事をされていたんですね!当時はどのような雰囲気だったのでしょうか?

当時は人口が8000人いました。

映画館もボーリング場もあったし、夜はハシゴ酒ができました。

ですが今は、人口がどんどん減って若者も少なくなっています。

ーーー道の駅を通じて町の人口が増えれば、飲食店を開きたいということですね!

昔のような賑やかな土佐町で居酒屋を開く…。

そういったイメージが、大きなモチベーションになりました。

ーーーそうした理由もあり、人口8000人を目指されているんですね。

その一つのステップとして、道の駅があると考えています。

イベント開催の効果もあり、就任当時から年5000人ペースで来場者が増加しています。

これからも土佐町の良さに触れてもらう場として道の駅を盛り上げていきたいと考えています。

ーーー和田さんにとって「道の駅 土佐さめうら」とはどのようなものだと考えていますか?

地域内、地域外の人が皆で楽しめる場所です。

道の駅とは、そういうものだと思っています。

なので地元の子どもたちが集まれるよう、お土産だけでなく駄菓子も販売しています。

BBQ広場も、場所のみ借りることができるプランも用意しています。

地元の人が食材を持ち寄って集まることができるからです。

将来の夢は…温泉街!?

ーーー「目標は人口8000人の町」とありましたが、これからはどのように達成しようと考えていますか?

私が注目しているのは、温泉です。

いつか土佐町の通りを、温泉街にしたいと考えています。

ーーー温泉ですか…!それはなぜでしょう?

人が旅に行く目的の一つに、温泉があるんです。

食や宿はもちろんですが、温泉の持つ集客力に注目しました。

ーーーなるほど…。温泉ができれば、どのような効果が見込めそうですか?

まず温泉ができると、宿泊する人の数が増えます。

宿泊客が増えれば、食堂や居酒屋が発展し、お土産屋さんやカフェも増える…。

こういった好循環が温泉によって生まれると考えています。

道の駅の駅長として、「土佐さめうら観光協会」の副理事長として、これからも土佐町を盛り上げるために活動していきたいです。

ーーーとてもワクワクしますね!貴重なお話をありがとうございました!

道の駅「土佐さめうら」
国道439号沿いにある道の駅。高知県下11番目の道の駅として平成10年にオープン。休憩所としてトイレやシャワーも完備しているので、サイクリングを楽しんだ後にも便利。道の駅館内では地元の産品や民工芸品がズラリと並び、見るだけでもワクワクすること間違いなし!食堂与作では地元和牛を使った嶺北ビーフの牛丼や手作りコロッケ、田舎寿しも好評です。詳しくは以下の記事で!

土佐あかうしをお土産に!土佐町にある道の駅さめうらをご紹介

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