ある日突然、そば屋さんを引き継ぐことに!? 立川そば職人の猪野さんをインタビュー

突然ですが、「そば」は好きですか?

ツルツルとした喉越し・・・・。

たまりませんよね〜。

実は、私たち「れいほくTV」がPRをしている嶺北地方にも、「立川(たぢかわ)そば」というそばがあります!

この、「立川そば」ですが、なんと「のどごし無し!噛みごたえ抜群!」という特徴のそばなんだとか・・・。

え!??

そばってツルツルの喉越しが美味しいんじゃないの???

これは気になる・・・・・・。

ということで、今回取材させていただいたのは、立川そばを作っていらっしゃる猪野大助さん

それではさっそく、お話を聞いていきましょう!

そば職人なったきっかけは、とある勘違い

猪野大助さんのプロフィール
高知県大豊町出身。大阪で10年働いた後、生まれ育った大豊町にUターン。4年前から立川そばの製麺所でそば職人をしている。現在はそば職人とトマト農家を兼業し、大自然の中で子育て中のお父さん。

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ーーそれではまず、立川そばについて教えていただけますか?


立川はたぢかわ
と読み、そば粉100%で作っているのが特徴です。

太くコシがあるのがあり、噛めば噛むほどそばの香りと甘味が広がります。


美味しそうな立川そば!(大豊ナビより)

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ーーそば粉100%!十割そばとも呼ばれているものですね。


そうですね!一般的なそばは、小麦粉をつなぎとして使っています。

一方、立川そばは「挽きが粗い粉」と「挽きが細かい粉」を混ぜ合わせることで、まとまるんですよ!

なので材料はシンプルに、そば粉と水だけです。
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ーー材料がシンプルな分、難しいなと思うことはありますか?


「粉の調合」「水の量」「麺を締める冷水の温度」などにより出来は大きく左右されます。

例えば冷水の温度が低く麺が溶けてしまったりすると、その分がロスになるんです。

何度も配合を研究し今ではほとんどロスはほとんどない状態になりました。

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ーー立川そばは、かなり伝統がある料理だとも聞いたのですが?


立川そばは、もともと立川地域での年末の家庭料理だったんです。

立川そばが生まれる前は、そば粉を水で練って団子のようなものを食べていました。

そこへ「麺」という文化が入り、今のような形で残ったんだと思います。


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併設されたレストランで楽しむことができます

 

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ーー
猪野さんはどうしてそば職人になろうと思ったんですか?

もともとはこの立川という地区で、おばあちゃんたちが立川そばを作っていました。

ですが4年前、そば作りをやめるということになったんです。

そこで後継者にならないかと、僕のところに話が来ました。

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ーーそこで職人になると決意したんですか?


そこではまだ決意せず、自分にもできるかなというレベルでした。

なので、ちょっと見てみようかなという気持ちで厨房に行ったんです。

そしたらもう既に「引き継いでくれてありがとう」という話になっていて(笑)

見学のつもりでそば製麺所に行ったら、もう自分が後継ぎだという話が出来上がっていたんですね〜(笑)

こんな勘違いが、そば職人になるきっかけでした。
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Uターンのきっかけとトマト


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ーー猪野さんはUターンをされたということですが…


僕は大阪で10年ほど働いた後に大豊町の方へUターンをしました。

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ーー大阪から高知県へ戻ろうと思ったきっかけは何だったのでしょう?


1番の理由は、子育てですね。

大阪で結婚してから子供が生まれて、子育てをするぞ!となったんです。

ですが大阪で子育てするイメージが全くわかなくて・・・。

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ーーというと…?


僕は山や川で思いっきり遊んだ幼少期を過ごしました。

その記憶もあって、自分の子供にも自然の中で育って欲しいと思ったんです。

画像 高知県は山と川が絶景

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ーー嶺北の大自然の中だと、お子さんもノビノビ遊べますね! ちなみにUターン後に始めたお仕事は何だったんですか?

父が農家をしていたこともあって、農業をしてみることにしました。

Uターンをしてから農業大学校に通い、農業を学びました。

いろいろ考えた末、自分が好きな野菜でもあるトマトを育てることにしたんです。

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ーーでは、現在はそば職人とトマト農家を兼業されているんですね!

そうですね!でも、実はもともと農業は嫌いだったんです・・・。

高校の時に手伝った父の農仕事がとてもしんどくてトラウマになって。

ですが、それから数十年経って他の仕事も経験すると農業の面白さが見えてきました。

また、以前とは違って、タネを巻いてから収穫するまで農業の全体を経験してみると、非常にやりがいも感じられるようになりましたね!

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ーー農業が嫌いだったというのは驚きです!! 兼業というと大変そうなイメージがありますが、実際はどうですか?

僕はトマトとそばの兼業ですが、忙しい時期がズレているので、うまいことできています!

トマトの収穫は夏から秋にかけてです。

一方、そばの方はお盆に需要が高まります。

繁忙期が重なる時期であるお盆だけは、とても忙しくなるので、そこは大変ですね。

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ーー逆に、農業をしていない冬はどうなのでしょうか?

冬は何と言っても、年越しそばです。

毎年、12月は目が回るほど忙しくなります。

その後、1月はゆっくり休んで、3月からまたトマトの種まきというサイクルですね!

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立川そばの厨房に潜入!そば作りの魅力とは?

そばを打つ猪野さん

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ーーでは、続いて実際に立川そばを作る工程を教えてもらえますか??

分かりました!

まずは、粉の調合です。粗いそば粉細かいそば粉を混ぜ合わせます。

この調合はその日の湿度や温度によって微妙に変えています。

4年間そばを打って得た感覚ですね!
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ーー実際に触ってみると、2種類の粉でだいぶ触感が違いますね!

そうなんです!この粉の調合で微妙に麺の性格を変えられるのも、そば作りの魅力ですね。

麺の好みは人によって違うのですが、切れにくい麺や柔らかめの麺など、色々なタイプの麺を打てるようになれば楽しいです。

粉の調合が終われば、こちらの機械に粉と水を入れます。

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ーーこねる作業は、機会がやってくれるんですね!

ある程度練ったら、取り出して丸く形を整えます。

ボールに何度も生地を打ってだんだんと丸くしていきます・・・。

意外とこの工程が一番難しいんです。
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ーーだんだん丸い形になってきました!

生地をまとめたら、次は伸ばす作業です。

綿棒を使い、打ち粉をしたまな板の上で生地を広げていきます。

幅や厚さを同じにするため大小の動きを組み合わせます。
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ーーみるみるうちに伸ばされていきます!

ここまできたら、麺を切る機械にセットします。

あとは自動で切ってくれるんですよ。

麺を切る機械

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ーー猪野さん!この大釜はなんですか!?

これは先ほど切った麺を茹でる釜です!!!

たっぷりのお湯で数分、火を通します

では、茹でていきましょうか。

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たっぷりのお湯で立川そばを茹でていきます。

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ーーこんな大釜、初めて見ました(笑)

家庭にはないサイズですよね(笑)

さて、茹で上がったら冷水で締めます。

ここの工程が実は重要で、しっかり冷やさないと食べる時に麺が溶けてしまうんですよ。
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一気に冷水で麺を引き締めます

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ーー乾麺と比べて、違いはあるのでしょうか?

乾麺より風味が良く、年越しそばにもオススメです。
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ーーでは・・・試食をいただきます!
・・・・・・・・。
お、美味しい…!!正直、想像以上でした!!

そう言ってもらえると、とても嬉しいです。

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ーーもっちりとした弾力と噛めば噛むほど溢れるほのかな甘味
今まで食べたそばとは別物ですね!!!
・・・・私の年越しそばは、立川そばに決めました!!

ありがとうございます(笑)

将来の夢は…茶屋!?

重要文化財の立川番所書院

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ーー猪野さんがこれからやりたいことはありますか?

この立川蕎麦茶屋の目の前に、重要文化財にも認定されている立川番所書院があるんです。

かやぶきの分厚い屋根が特徴の立川番所書院は地域の人から立川御殿という名前で呼ばれています。

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ーー確かに、御殿という感じがします…!

ここで、赤い椅子と傘を立てて、茶屋を開きたいと思っています。

立川番所書院は土佐藩主参勤交代の通路としても使われた場所なので、まるで時代劇のワンシーンのような空間になりそうですよ!.
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ーーおおおお!それは、素晴らしいコラボレーション!楽しみです!

こうして地域にある資源を繋げて良いものを作るのは、ワクワクします!

これからも立川地域をどんどん盛り上げていきたいですね。
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田舎だからこそ、面白い出会いがある

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伝統のそばが引き継がれ、食することができたことに感謝感謝です。

猪野さんが引き継いでいなかったら、失われてしまった食文化だったかもしれませんから・・・。

それにしても、「勘違いで立川そばを引き継ぐことになった」という話には、とても驚きました!!

同時に、「担い手が減っている田舎には、今回の猪野さんのような面白い出会いがたくさんあるのかも知れない」とも思いました。

田舎の可能性を感じつつ、今後も嶺北の魅力をたくさん探していきます!

今回紹介した立川そばは、「道の駅 大杉」やとさのさとでも販売しています!

気になった方は、是非食べてみてくださいね。

立川御殿茶屋の情報

交通 大豊ICより車で約25分
住所 大豊町立川下名43-イ-1
電話 0887(78)0322  営業日、営業時間内のみ。
営業時間 10:00~16:00
営業日 月1回第3日曜日のみ
駐車場 立川御殿の駐車場をご使用下さい。
店長・店員から一言 大豊の郷土料理をメインとした、化学調味料を使わない昔の味付けで体に優しく、懐かしい味の料理です。
リンク https://www.otoyo-kankou.com/gurume/gotenjaya/
このメディアの運営者

田舎ディベロッパー君

高知県嶺北地方をPRする『れいほくTV』の編集長 普段は、藤川工務店で田舎を開拓する仕事に幅広く従事! 好きな食べ物は、『きゅうり・キウイ』などミドリの食べ物。 冷静沈着に淡々と事を進めるのが得意。

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